空間とインスタレーション
Space & Installation

大人は空間に入ると、情報をフォーカスして物事を見、受け取ります。
赤ちゃんはフォーカスせず、全身で、全感覚で受け取ります。
つまり、大人以上に周りの環境を繊細に感じやすい赤ちゃんに対して、五感を通して芸術と関われる空間を創ることが必要です。
アーティストが赤ちゃんのために提供する空間(つまりベイビーシアター空間)は、
常に赤ちゃんの五感に対してのアプローチが豊富に用意されているべきで、赤ちゃんがその中から何を感じて、何を受け取るかは赤ちゃん自身が選べるような豊かさと、自由を前提に創られているべきである。
赤ちゃんが、ベイビーシアター空間に入ったときには、まるで庭に入った時のように、木や空、花、草、、、様々なものが目に入り、光や影、風、温度、匂い、、そしてそこにいる動く人や鳥、虫、揺れる葉っぱ、、、様々な豊かさを感じるようなアート空間としてベイビーシアターが用意されていてほしいと考えます。
赤ちゃんを、何もない空間に連れてきてパフォーマーの動きだけを観て!というのは大人のエゴで、また赤ちゃんの全身全感覚で世界を受け取ろうとする力をいかしていないことになる。
ベイビーシアターは、赤ちゃんが全身で全感覚を開いて受け取る生き物である特性を考えると、アート空間として用意すべきことは、全感覚へのアプローチが立体的で豊かであることが大前提と考えなくてはならない。
もう1つ重要なことは、ベイビーシアター空間において赤ちゃんは自由に、なんの束縛もうけず、動いたり触ったり好奇心のままにパフォーマーともインスタレーションとも関係を持つことができることである。
つまりインスタレーションや空間は赤ちゃんが触っても安全であることが前提であり、
インスタレーションの素材も、様々な種類の素材の数があればあるほど、赤ちゃんの体験を豊かなものにする。
また赤ちゃん自身がインスタレーションを介して、パフォーマーと、親と関係を持ち、
他の赤ちゃんや親子と関係を持つことができる。
またパフォーマーがインスタレーションを時にダイナミックに、時に繊細に動かすことにより、動きそのものの面白さと共に、空間の風景を様々に変容させ、いくつもの空間風景を体験させることができる。
それにより赤ちゃん達の動的好奇心をより一層かきたてることができ体験の豊かさを増幅させることができるので非常に有効です。